CONTROL: Smiley is suspicious, Percy.
SMILEY: Where did it come from? What's the access?
PERCY: A new secret source of mine.
SMILEY: But how could he possibly have access?
SMILEY: But how could he possibly have access?
PERCY: He has access to the most sensitive levels of policy-making. We've named the Operation Witchcraft.
映画『Tinker, Taylor, Soldier, Spy』より
3/17にSBI証券から送られてきたメールを片っ端から機械的に削除(失礼、証券会社からのメールって見ないです)していたら、一通消し損ねて開いてしまったので、なんとなく見ていると、
「米国株式に長期厳選投資」「“手触り感”のある運用」などが魅力の、「農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド」、その魅力をご紹介します!との一文が目に留まりました。
米国株式だけならさておき、農林中金⁉っと思ってクリックしてみると、なんとあの農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)の最高運用責任者、奥野一成氏が運用する米国株式のアクティブファンドの紹介じゃありませんか!
奥野氏といえば、日本経済新聞夕刊での彼の短期連載を読んで以降(参考記事:『『なるほど投資講座』と日本たばこ産業(2914)の臨時獲得』)、私の銘柄選択や投資方法に多大なる影響をおよぼしています。
具体的には、値札(株式投資でいえば株価やPERやPBR等)をあんまり気にしなくなりました。定価で買おうがセールで買おうが良い商品は良い商品だ、長い年月を経ると少々ボラれても結局はいい買い物にちがいない、値札を見るよりモノそのものを値踏みせよ、と割り切ることができるようになっています。
割り切り感。ある種の諦念。
逆に、タイムセールを気にして時間をつぶしたり、お店をはしごしたり、目を皿にして広告やガイドブックとにらめっこしたりということのほうが、取り返しのつかない人生の消耗と考えています。もちろんバリュー投資家の行動や考え方は大いに参考にしていますし、安く買えるんであればそれに越したことはないけれど。
で、その奥野氏が米国株式のアクティブ投信の運用!、ということで実に久々にワクワクしてSBI証券のサイトを除いてみたら、いや、これがとても愉快。スズキ・モトコ氏と2人で行われているファンドの解説動画も見たので、かいつまんで感想を述べたいと思います。
ちなみにそのしゃべり方から判断するに、奥野氏は関西圏ご出身と思われ、人前に立つと笑いをとらねばというサービス精神が隠しきれていません。このブログの読者は、全員、まごうことなき紳士淑女しかいないはずです。皆様方に置かれましては、奥野氏が「害虫駆除を外注する」と言うシーンでは、口元に微笑を浮かべるだけの礼儀をわきまえられておられると確信している次第です。
でもそっち方面の資質は、実はスズキ・モトコ氏の方がありそうやね。 International Flavors & Fragrances !!! おれ、ひっくりかえったで。奥野氏も、のけ反っているように見受けられる。
さて、この投資信託は、その名の通り厳選された(おもに)米国株式のアクティブ投信で、よって2018年2月の運用レポートでは27銘柄しか組み込まれていません。山崎元氏の目つきが険しくなりそうですな。Take it easy, men.
では、なぜ米国株式・市場なのか。
動画からまとめますと:
- 米国の人口、及び人口動態、また英語圏のマーケット(70億人)が米国企業に圧倒的な優位をもたらしている
- 1.により、米国企業の規模と収益性は、日本企業のそれと比べ、強い
- 2.の結果、株価(指数)も米国のほうが強い
- そして投資に国境なんぞ存在しない
おおまかなところで私も同じ考えです。ただ最近、米国の人口動態がfavorableだから米国株式だぜ、イエーイという考えは修正しつつあり。これに関してはまた別途機会があれば書きたいと思います。端的に言えば・・・米国における賃金上昇の停滞・・・あれ、気になります。なりません?
では次にどうやって銘柄を選択するか。それは3つの視点から選別するそうなのですが、それに関しては、以下のスライドを見られたし。
農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンドの目論見書より抜粋 |
上記の視点で、長期投資の対象、つまり長い期間にわたって“ちゃりん、ちゃりーん”し続ける企業となるか否かの判断の6-7割はできるとのことです。
で、ビジネスをどこまで深く考えるかに国境なんかあるわけない、想像力・自分のアタマの問題と奥野氏はおっしゃっています。しかし一方で足を使って確認しに行くということも大事と述べています。
そう、日本在住の裕福とは言えない投資家にとっては、ここが一番のネックですね。その点では、こういうプロの方は恵まれて(という表現でいいかな?)います。そして奥野氏は米国株式銘柄の”手触り感”の提供を、このファンドの売りとしています。
事実、ローリンズ(ROL)を紹介する動画では、来週ROLを訪問するとか言っているし・・・うらやましいなあ。
どうやら今後、上記の3つの視点からみた保有銘柄の動画による解説を行っていただけそうな雰囲気なので、私としては、とてもうれしい銘柄及び投資方法の情報源になりそうです。『Witchcraft作戦』と名付けようではないか。
私の方で把握したこのファンドの保有銘柄は:
2018年2月の運用レポートより |
上記以外では、ROL、あとちらりと動画で言っていましたがエマーソン(EMR)も組み入れられている(た)っぽい。
上位10銘柄でThe 3rd Man's Fundとかぶっているのは、マコーミック(MKC)ですね。
私としては、なぜ数あるヘルスケア銘柄でBecton(BDX)を選ばれたのか。なぜユナイテッドテクノロジーズ(UTX)なのか、というところに興味があります。ディズニー(DIS)ですか、私もムスメ(3歳)の親として、ある意味ヘッジとしてDISを持った方がいい気がする。すでに取り込まれつつあるもんで・・・いやはや。
Int'l Flavors & Fragrances(IFF)ねえ・・・、いいなあ、これ私の貧弱なレーダー網では補足できていませんでした。
あと3M(MMM)にEcolab(ECL)にROLときた日にゃ・・・ひょっとして奥野さん、単なるムシ嫌いなのかもしれない。ゴキブリが出たら、上を下への大騒ぎを起こしているんじゃないかな。日本株式ではアース製薬とかたんまり持ってたりして。
ローリンズ(ROL)を紹介する動画では、私が考えていた害虫駆除の米国市場の状況が外れてはいなかったのでうれしかったです。ちなみに奥野さん、ROLは害虫駆除というよりかは、どちらかと言うと害虫防除ですぜ。やつらは平和主義なのさ。
いずれにせよ、自宅のキッチンテーブルで、ネットからダウンロードしたアニュアルレポートと想像力を駆使すれば、太平洋を隔てた国の企業にも投資ができるのです。おまけに凄腕ファンド・マネジャーが足を運んでレポートまでしてくれる。いい世の中になったものですね。
てなわけで農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンドの動向、今後も要注視です。ひょっとしたら個人型確定拠出年金、このファンドに一部割り当てるのもいいかもしれん・・・いや米国株式だったらインデックスでいいかな。
情報開示:この記事を書いている時点でROL160株、MKC170、EMR55株保有
このブログでのROLの記事はコチラ
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