2018年3月18日日曜日

クロロックス(CLX)の2017年度

急遽The 3rd Man's  Fundのコア八銘柄入りしたクロロックス(CLX)の2017年度をレビューします。

CLXは初回獲得は2016年の12月で、The 3rd Man's  Fundのメンバーの中では比較的新参者です。


CLXの過去2年の株価推移、赤丸がおおまかな獲得のタイミング、Yahoo! Financeより

まずアニュアルレポートですが、例年のごとくCLXで働く人の多様性を誇っています。これは先日レビューしたマコーミック(MKC)(参考記事『スパイスのない人生なんて 3 - マコーミック(MKC)の2017年度 -』)と同じですね。

例をあげると、Executive committeeメンバーの36%が女性(4年前は20%)、33%のBoard of directorsのメンバーが女性、あるいはマイノリティー(おそらく白人以外の意味)、2006年以降LGBT(セクシャルマイノリティ)に配慮された職場として100%のスコアをHuman Rights Campaignからもらい続けている、等々です。

こういうところは、私は素直に評価します。CLXの場合、例えばクリーニングのセグメントで、ヒスパニック系の人々によりアピールできる新製品等が投入されたりしています。そういう直接的な効果もあるかもしれませんが、私には、多種多様な人々で構成される組織のほうが、長期的に見て絶対に強いパフォーマンスを残すという信念じみたものがあります。

余談ですが、今後日本企業も日本人の人口動態(参考『人口動態』のページ)のあおりをくって、女性(M字カーブがなだらかになったようですね)や外国出身の方々、人口知能を活用せざるを得なくなっていきそうなので、個人的には日本企業・経済の将来はわりと明るいんじゃないかと考え始めています。Topixとかの株価指数については、いまだ懐疑的ですが。

働く場としてのCLXに話を戻すと、Employee Engagement (従業員がどれだけ業績に貢献できているかの評価・・・参考は『第13回 企業と従業員の新しい関係「エンゲージメント」について、 『Louder Than Words』の著者ボブ・ケラー氏に聞く』)の結果は88%で、競合他社のそれと比べて8%高いそうです。

ここが生活必需品を扱う成熟企業のCLXの強みのひとつです。私のような投資方法をしているものにとっては、銘柄選定にあたり、直近の業績やPERみたいな指標以上に注目すべきポイントだと考えます。

では、Revenueの推移。


数値はモーニングスターのサイトより

トップラインの2017年は⁺4%。すべての四半期で前年を上回ったようです。広告費の約45%をデジタル分野に投入しているとのこと。またEコマース・チャンネルでの売り上げは前年比⁺30%。

でも最大のお客さんはウォルマート(WMT)で、2017年度ではRevenueの約25%を占めています。

この一年でCLXの製品は米国の140万の新たな世帯に入ったそうです。

Operating Marginがじりじり伸びているのがよろしいですね。P&G(PG)の2007年度からの平均は19.04%、CLXのそれは17.25%。PGに追い付けるかな。

キャッシュフローと一株当たりの指標の推移。


数値はモーニングスターのサイトより


数値はモーニングスターのサイトより

とくにコメントはありません。

財務3表(数値はアニュアルレポートより、P/Lは多少つじつま合わせをしています)




2016年度の投資キャッシュフローの膨らみはRenew Lifeの買収のため。BSが筋肉質になっています。

CLXは長期目標として


  1. Net Salesの年間3-5%成長
  2. 25-50ポイントの年間EBITマージン成長
  3. 10-20%の年間フリーキャッシュフロー


を掲げています。
2008年からの結果はというと、



モーニングスターのサイトから得た数値をもとに計算

平均の数値は13年度から17年度までです。

Net sales以外は目標達成中ですね。

アニュアルレポートにはCLXの製品は米国の90%の世帯で使われているそうです。米国の人口動態がもたらす果汁をじっくりと味わえる銘柄と言えるのではないでしょうか。

情報開示:この記事を書いている時点でCLX57株、WMT140株、PG133、MKC170株保有

このブログでのCLXのその他の記事はこちら

Appendix

Annual reportより





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