MKCは配当の再投資を中心に過去5回に分けて獲得していっています。
Yahoo Financeより、赤丸が獲得の大まかなタイミング |
数値のソースはモーニングスター |
それを除いても、為替の影響を抜きで見るとConsumerセグメントが前年比+8%、Industrialセグメントが同+14%(このセグメントのトップカスタマーはPepsiCo、というわけでアナタもMKCと無関係ではいられない)、とても好調です。マーケティングの投資も前年比39%アップとブランディングに力を入れています。
2017年の売り上げの9%は過去3年間に投入した新製品から来ています。先進国では健康意識への高まりを受けオーガニック、グルテン・フリー製品がどんどん加わっていますね。
一方でアジア・パシフィック・ゾーンの需要の高まりに対応するため、上海・シンガポール・タイに工場やテクニカル・イノベーションセンターを建設しています。
人々の生活水準が上がるにつれ、ますます需要は高まると思います。
おもしろいのは、2017年にTop 50 companies for diversityに選ばれたのだとか。あまり詳しく調べていないけど、どうやら職場で働く(というか活躍、登用されている)人々の多様性(おそらく性別や人種、国籍、宗教等々)を評価するものらしいです。
私は、国にしろマーケットにしろ企業にしろ、組織/集団に含まれる人々、活躍する人々が多様であればあるほど(つまり組織が個人に対し、フェアであればあるほど)長期的に強い(例として米国、および米国マーケット)と考えていますので、これはいいことですね。似たような考えの人だけが活躍する組織は、ときにチンギス・ハン的な強さを発揮したりしますが、長続きしないんですよね、傾向として。
その2017年度のTop 50 companies for diversityのリストはコチラです。The 3rd Man's Fundの銘柄では、JNJ、ABT、PG、TGT(えっ、本当?)、ABBV、そしてMKCが名を連ねています。日本企業ではトヨタがいらっしゃいます。
で、そのTop 50で上場している企業でつくられたIndexは、少し長い目で見るとS&P500やNYダウをアウトパーフォームしています。ははは。(参考資料はコチラ)
次にキャッシュフローの推移と一株当たりの指標をチェック。
数値のソースはモーニングスター |
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これだけ見ると文句のつけようがありません。
で・・・
2017年はMKCにとってやはりマイルストーン的な年でした。前出のRB Foodsの買収です。
どういうインパクトがあったか財務3表を見てみます(数値はアニュアルレポートより、P/Lは多少のつじつま合わせをしています)。
やっちまったよ、これ。えげつないことするもんですね。もはや去年までのスパイスメーカーではありません。さすがに投資家連中もビビッて株価が伸び悩むのはわかるような気がする・・・て呑気に言っている場合か。
RB Foodsの買収額は$4.2B、大部分が借り入れ、一部が新規株式の発行(6.35M株)による資金調達で賄われています。
既に述べた通り、これにより2017年度のRevenueの伸びの1/3以上はRB Foods、2018年度もそうなるだろうとしています。
今後しばらくは買収や自社株買いは控えめになるだろうとのこと。ま、そりゃそうだろね。
なかなか困難だとは思うが、シ、シナジーを期待する。20年後にケチャップとマスタードをたっぷりかけたホットドックをおいしくいただきたいものです。
MKCの長期的な目標は以下の通り。
- Salesの年間成長4-6%
- Operating Incomeは7-9%
- EPSが9-11%
過去13年間を平均すると以下の通り。
- 5.2%
- 6.7%
- 7.5%
情報開示:この記事を書いている時点でMKC170株保有
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