やつらは変人だ。アルゴイにはおいしい昔ながらのチーズがいくつもあるのに、わざわざイタリア人を真似て、こんなボロボロに砕けるチーズを作るなんて。トマトソースをかけたパスタに削って振りかけるのは、スパイスとして許せる。だが、こんなふうにそのまま食べるのはどうかしている。クルフティンガーには、パルメザンチーズはルッコラやラテ・マキアートやアセト・パルミサコ同様、外国の食文化に精通し食通であると見せかけたい人間のための流行食材にしか思えなかった。
フォルカー・クルプフル / ミハイル・コブル 『ミルク殺人と憂鬱な夏』 岡本朋子・訳 ハヤカワ文庫前回のエントリー『a day in the らいふ』で書いたように、今後数年間はThe 3rd Man's Fundのコア銘柄というのを固めていきたいと考えています。すでに保有している銘柄から、これはと思うものを8銘柄ピックアップし、それに新規の資金、ならびに配当金を投入するつもりで、すでに7銘柄は選考済みです。残り1枠の候補が3つあるのですが、そのうちの一つ、ゼネラル・ミルズ(GIS)を、おさらいしたいと思います。
当銘柄は2014年6月に獲得しています(赤丸で囲っている当たりのタイミング)。
シン・ゴジラみたいや。
よって、当初私が勘違いしていたように、そしていまだにしばしば勘違いしてしまうように、ゼネラル・ミルズはGeneral MealsではなくGeneral Millsです。
NSYEに上場をしている2,400社のうち48番目に古く、過去117年間配当を欠かさず、直近では13年連続増配中です。なにせゴールが:
Create market-leading growth to deliver top-tier shareholder returnsです(CAGNY 2017のプレゼン資料より)。株主になりがいがあるってもんですぜ。Consumer firstは、上記ゴール達成のための手段にしかすぎません。
2015年夏、マニラの高級スーパーにて |
Net sales: low single digit
Operation profit: mid single difgit
Adjusted diluted EPS: high single digit
の成長を目指しています。
力を入れているカテゴリーは、シリアル、スナック、ヨーグルト、コンビニエント・ミールズ(味の素のクックドゥみたいなやつや、電子レンジで調理するようなやつと思う)、高級で気品のあるアイスクリームの5つの分野です。
それらの分野を代表するブランドとして、Cheerios、Betty Crocker、Pillsbury、Nature Valley、Yoplait、Old El Paso、そしてハーゲンダッツが挙げられます。これらのブランドのほとんどが、それぞれのカテゴリーでNo.1か2のシェアを誇っているのだそうです。
消費者の食に求めるものは、(おそらく調理の)簡素化と健康(オーガニックやナチュラル)と認識していて、それらを踏まえて新たなブランドを買収してマーケットを開拓する一方で、その買収したブランドを自前の販売網にのっけていっています。
Revenueの推移(数値のソースはモーニングスターのサイト)。
FY16のRevenueは前年に比べて-6%。為替、事業の売却(Green Giant vegetable)、うるう年の影響だそうです。為替の影響を除くと、-2%。
2015年度のOperating Incomeが低いのは、Green Giant vegetableのブランドの減損処理のためです。
GISは、米国の小売り、コンビニとフードサービス、及びInternationalの3つのセグメントに分かれていますが、Internationalでは為替の影響を除くとラテン・アメリカ地域が+12%と伸びています。
その一方で、FY17の第2四半期が終わった時点でのプレゼン資料を見ると、中国でのビジネス(主にハーゲンダッツとコンビニエント・ミールズのWanchai Ferry)が思わしくなく、ここ数年横ばいです。
また米国小売方面でも、ヨーグルトのカテゴリーサイズがYTDで-3%成長なのに対し、GISは-18%と芳しくありません。
ここら辺のテコ入れがFY17の後半以降の課題のようですね。
一株当たりの数字は一見よさそうですが・・・
数値のソースはモーニングスターのサイト |
純利益の利回りは8%。
FY15は、
FY16は、Green Giant vegetableの売却で、投資キャッシュフローがプラスです。これがなきゃ、自社株買いと配当をねん出するため、さらに借り入れたかもしれぬ。
どちらかというと普段通りの平々凡々な料理をこよなく愛する、ドイツはアルゴイ地方のケンプテン地方刑事局の警部クルフティンガー氏のような方々にとっては、ゼネラル・ミルズ(GIS)が提供するような製品があっているのかもしれません。
しかし長期的に保有する銘柄としてGISを見た場合、いささか面白みに欠けるというのが本音ですね。まあ、名前からしてゼネラルやし。
情報開示:この記事を書いている時点でGIS49株保有
TIP
GISの10年間のトータルリターン(アニュアルレポートより抜粋)
これを見てから、今度はCAGNY 2017のプレゼン資料から以下のS&OP500との比較を別の切り口で見てみると・・・
なんといいますか、その時々の短い一定期間を見て指数に買ったの負けただのとやるのは、ひたすら不毛なだけと思います。
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