私はそこに立っていた。グラスの中身を飲み干してしまうまで、彼女は私を立たせたままにしていた。空のグラスをテーブルに置くと、また酒を注いだ。ハンカチーフで唇をとんとんと叩き、そのあとで口を開いた。硬いバリトンの声、いい加減なことは許さないという響きがあった。
「お座りなさい、ミスタ・マーロウ。煙草に火はつけないように。私は喘息持ちなので」
私は葦の揺り椅子に腰を下ろし、まだ火をつけていなかった煙草を、外ポケットのハンカチーフの後ろに押し込んだ。
レイモンド・チャンドラー 『高い窓』 村上春樹・訳 ハヤカワ文庫 (以下茶色の文章は同書からの抜粋)
2016年の第3四半期の定期獲得として、アルトリア・グループ(MO)をThe 3rd Man's Fundに追加しました。
2016年9月27日火曜日
2016年9月17日土曜日
非日常と現実との岸辺で - BOSEの獲得 -
「とくべつ?」
「ええ、何かとても奇妙なアクセントで、言葉をのばしたり縮めたりするの。まるで風が吹いているような具合に高くなったり低くなったりして」
僕は彼女の手の中の頭骨を見ながら、ぼんやりとした記憶の中をもう一度まさぐってみた。今回は何かが僕の心を打った。
「唄だ」と僕は言った。
「あなたにもそれを話すことができるの?」
「唄は話すんじゃない。唄うんだ」
「唄ってみて」と彼女は言った。
村上春樹 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)』 新潮文庫
約5か月ほど前のことですが、以前『サードマンの収入明細 (2016年2月)とヤング投資家K.の資産@28歳』で書いた、1998年から愛用していたCD/MDコンポが、とうとう壊れてしまいました。
「ええ、何かとても奇妙なアクセントで、言葉をのばしたり縮めたりするの。まるで風が吹いているような具合に高くなったり低くなったりして」
僕は彼女の手の中の頭骨を見ながら、ぼんやりとした記憶の中をもう一度まさぐってみた。今回は何かが僕の心を打った。
「唄だ」と僕は言った。
「あなたにもそれを話すことができるの?」
「唄は話すんじゃない。唄うんだ」
「唄ってみて」と彼女は言った。
村上春樹 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)』 新潮文庫
約5か月ほど前のことですが、以前『サードマンの収入明細 (2016年2月)とヤング投資家K.の資産@28歳』で書いた、1998年から愛用していたCD/MDコンポが、とうとう壊れてしまいました。
2016年9月8日木曜日
2016年9月3日土曜日
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