一 ガリアは全部で三つにわかれ、その一にはベルガエ人、二にはアクィーターニー人、三にはその仲間の言葉でケルタエ人、ローマでガリー人と呼んでいるものが住む。私がフィリピンに出張に行っていた際、別件でマレーシアから出張してきて同じホテルで宿泊した人と2日だけ朝食を共にする機会がありました。
カエサル 『ガリア戦記』 近山金次・訳 岩波文庫
彼とは初対面でしたが、お互い一目見て気が合うというのがわかり、けっこう会話が弾みました。で、マレーシアの観光地やフィリピンのインフラの脆弱さ(空港からここまでの道、ありゃ、ひっでーよな)とか話した後、マレーシアの最近の停滞ぶりの嘆き節が始まりました。
曰く、政策がどんどん内向きになり、ローカル企業を優遇するあまり、日本の企業を含む多くの外資が撤退してしまって、これじゃあ、シンガポールやタイや発展途上のベトナムとかにも取り残されてしまう、オレみたいに外資系で働いているものにとっては働き口がどんどんなくなるとか言っていました。
マレーシアの政治・経済に関してはマハティールさんくらいの名前をおぼろげに覚えているくらいで…うーむ、リンクさせていただいているブログ、世界情勢ブリーフィングをちゃんと読んどくんだった。そうしたらもっと突っ込んだ質問ができ、いろんな情報が聞き出せて、実のある会話ができたのに。普段からいろいろアンテナの感度を上げて情報を収集しておかないと人生損します。
さらにひどいのは城塞都市イントラムロスにフィリピン人同僚Jくんと訪れた時のこと。
ここにはサンチャゴ要塞があり、第二次世界大戦中に多くのフィリピン人が日本軍によって地下牢に閉じ込められて、満潮時に水死させられたところだそうです。私はなんと、帰国途中の飛行機の中で『地球の歩き方』を読んで初めてこの事実を知りました。
ああ、事前に知っていればちゃんと気合を入れて見学していたのに…
そうとは知らず、灼熱の暑さにバテバテになっていた私は、この要塞を訪れるころには英語の説明を読む気力がなく、なんだこの穴ぼこは…あの人形はひょっとして日本兵か…服装はそれっぽいけど変な顔やなあ、中国人かなあ…とか付き添いのフィリピン人同僚のJくんにのたまわって、はやく売店でなんか飲み物買おうとさっさと移動していったのでした。
ひっでー日本人もおったもんやで、まったく。今思い出すととても恥ずかしい。
まあ、旅行前に買ったガイドブックを帰路になって紐解くというのは、私の悪いクセで今回に限ったことではない。いつも現地を訪れて興味を持ち、帰ってから調べ始めてさらに興味を持ち、可能であれば再訪するというのが私のよくある行動パターンです、旅行に限らず。
今後もフィリピンを訪れる機会はありそうなので、その際にはきっちり落とし前をつけよう。どっかのジェネラルじゃないけど、I shall returnですぜ。
というわけで以下に述べる情報も帰国後調べました。いろいろ興味深いシーンを目撃したので、それを頭に入れて気になる数値を探りました。(ということで、次回以降のエントリーで私がブログで書くのは、前知識なく自分が行き当たりばったりで感じたままの結果になります。)
まずはフィリピンの人口動態予測です。
ソースはUnited States Census Bureauのサイト (2015年5月時点でダウンロードしたデータをもとに作成) |
次に、かの地を巡っていてどうしても感じざるを得ない次の事実。
The world bankのサイトより |
空港からホテルまでの道中では、唖然とする情景が垣間見えました。たいていは見えないよう張りぼて壁のようなもので囲ってあるように見受けられますが、ちらりと隙間から…。
同僚のJくんの車でイントラムロスに訪れる道中でも、唖然とするまでではないものの、とても興味深い風景が広がっていました。私が興味津々に眺めていると、少し照れくさそうに笑いながら、"These are...more or less...normal area, normal people in Philippines..."と述べていました。
☆☆☆
さて生活必需品ジャイアンツの攻防戦の舞台は主に以下の3つに分かれます。
1.高級ショッピングモール内のスーパーマーケット
宿泊した安全なエリアにある(現地基準では間違いなく高級)ホテルの目の前の高級ショッピングモール内、およびそこから約1キロ離れた日本人が多く居住していると思われるエリアの高級ショッピングモール内にあるPustan's Market Place。
ここが今回の私の取材主戦場です。なんせ、毎日夕食を食べたついでにブラブラ寄っていましたので。以降の記事はここが舞台になることが多いです。
この2つのショッピングモールは、一流どころのお店が漏れなく入っていて、日本の企業では例によってユニクロや無印がお店を出していました。
なぜか、ピアノが置いてあり、お客さん(たいていは白人)が弾いていたりして(As Time Goes Byなんか弾くなよな、そこのじいさんよ)、カチッとした服を着た、とても見目麗しきフィリピーノの店員さんがそのリズムに乗って軽く体を揺すっていたりします。
高級ショッピングモール、向こうにダイソン専門店がある |
食事の値段も、為替にもよるのでしょうが、日本よりやや高い印象です。ただし、家に帰ると友人数人とシェアハウスで雑魚寝状態だよ、ハハハと笑うフィリピン人新卒のRくんが、帰宅途中に飲料水の買い物に立ち寄っているのと偶然遭遇したので、このスーパーマーケット自体はそこまで敷居が高くないのかもしれません。
ここではマンゴーが、キロ当たり143ペソで売っていました。
2. 庶民的なSMスーパーマーケット
これは現地の新聞にもよく広告が出ている、前出のよりは庶民的なスーパーマーケットです。日曜日の午後に30分程度歩いていき、30分程度店の中をぶらつきました。
ここは、あんまりにも道端の商店に興味を示す私を見て、Jくんが、ここに行ってみたらいいかもよとわざわざホテルへの帰路の最中に寄ってれて場所を教えてくれました。
SMスーパーマーケット |
あと、ホテルからはここを通ると、たぶん危ない目に合う可能性は低いんじゃないかなというエリアまで教えてくれました。
さすがに客層はがらりとくだけた雰囲気で、いつもの近所のスーパーみたいで、なんか気楽でしたね。また比較的ローカルな企業の製品が多かったです。
ただここでも生活必需品ジャイアンツは健在で、いや圧倒的な存在感を誇っているのもチラホラ見受けられました。
ここはマンゴーが500グラムで50ペソでした。
SMスーパーマーケットの果物売り場 |
3.More or Less Normal Area
まあ、ここらへんはですね、正直なかなか異邦人がおいそれと行けないですねえ。とくにコーラを注文するくらいならいいんですけど、小銭とかに慣れていないのでまごつきそうなのがイヤというのがあります。
それにあんまりこういうところを写真に撮るのは、いかにも感じ悪いですし、いらぬトラブルを招きかねないので、ここは一番情報が少ないです。でもフィリピンの都市部ではこういう場所での需要が一番大きいのかもしれません。
上部の青と黄緑の看板は、おそらくプリペイド式の携帯の宣伝。市街でよく見かけた |
路肩でパラソルさして、テーブルの上にマンゴーを山積みして売っているのを何回か見ましたが、値段は訊かないとわからなそうでした。
で、いったん訊くと買わざるを得なくなりそうなんで、訊きませんでした。よって、ここでのマンゴーの値段は不明。
というわけで以降、この3つの舞台での生活必需品(食料品含む)の動向をレポートします。値段とかは詳しく比較したりしていません。おもに棚にどれだけどの企業やブランドが占めているかをテキトーに眺めているだけです。
予めお断りしておきますが、私の主観が大きく入っています。どうしても私の保有銘柄のブランドに目が行ってしまいますし、単に知らないブランドはすっぽかしている可能性があります。関心がないエリアは触れていないですので、ご了承ください。カエサルの『ガリア戦記』のように、簡潔かつ明晰というわけにはいかない。
また値段が映っている場合がありますが、訪問期間中のレートは、だいたい1ペソ2.8円程度でした。
情報開示:とくになし
SMスーパーマーケットの新聞広告 |
ありがとうございます。
返信削除今でも結構おっかない所なんですね。
お気をつけて。
ice_skaterさん、昔フィリピンにいらしたことがあるのですか? そうですね、結構危ないところもあるようです。というか、基本、一人ではうろつかないほうがいいようです。特に夜間では。
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