Once you told me I was mistaken,that I'd awaken with the sunand order orange juice for one.It never entered my mind.
作詞 Lorenz Hart 作曲 Richard Rogers 『It Never Entered My Mind』
日銀総裁の黒田さんは言いました、半年で最大6割にも及ぶ原油価格の下落は想定外だった・・・と。そうですね、一年前には誰がこれを予測できたでしょう。少なくとも私は知らない。おこってからうんちくを語る人はいっぱいいるが、事前にまっとうに予測できた人はいたのでしょうか?
たとえいたとしても、そしてたとえ私がそれを聞いていたとしても、まず間違いなく"It never entered my mind"でしたでしょうな。なんせ黒田さんもそうなんですから、私に想定しえたはずはありません。
石油メジャーも日本の商社も、現場レベルではいざ知らず、経営陣たちにとっては、"It never entered their minds"だったんじゃないかな。
エマーソン・エレクトリック(EMR)にとっても同じだったんでしょう。
というわけで今宵はマイルズ・デイヴィスの奏でるIt Never entered My Mindを聞きながら、物悲しいEMRのQ2の結果に浸ってみることにしました。
ソースは2nd Qのカンファレンスコールの資料です。
まず全体のSalesは対前年比で-7%、Gross profitも-10%となっております。
ただ、Salesに関してはオイル価格の下落や北米と中国での設備投資のスローダウンの影響を受けたUnderlying Sales(これの訳がよくわからない)はフラットで、事業の分離で-2%、為替で-5%です。
セグメント別で私が気になった点を挙げます。
プロセスマネジメント
インダストリアルオートメーション
ネットワークパワー
クライメイトテクノロジー
コマーシャル&レジデンシャルソルーション (わお、こんなんあるの知らんかった)
へえ、ヨーロッパの経済は回復傾向にあるのか・・・。 あと、私が漠然と思っていたよりオイル価格の下落のインパクトは少ないようですね。それより為替のほうがでかい。
こちらの資料によりますと、2014年度のSalesのうち、アップストリームの分野は12%なので、石油価格の下落のインパクトは、そーこまで大きくないのですね。
ということは先日レビューしたP&G(PG)同様、EMRも現在の為替状況下ではお買い時銘柄かもしれません。それに付け加え、オイル価格下落のネガティブイメージがのっかっているようでしたら、もっとお買い時かもしれません。
もうひとつお買い得な情報としては、その株主還元のプランです。
EMRは2011~2014年度まで、$10.4Bのキャッシュを生み出し、それから配当に$3.6B、自社株買いに$3.0Bの株主還元をしています。
2014~2019年は$22B(うち2Bが負債)のキャッシュを生み出す目論見で、配当に$7B、自社株買いに$6Bを使う計画です。(ソースは2015年のoverview Presentation)
ここまで明確な株主還元のコミットメントを打ち出している企業も珍しいですね、私の不勉強なだけで他にもたくさんあるのかもしれませんが。これだけきちんと示されると、たとえうまくいかなかったとしても、ちゃんと何がうまくいかなかったかを説明してくれそうなので信頼感があります。
EMRはすでに今年になり2回にわたり獲得していますが、引き続き追加獲得の候補です。というわけで若干明日への希望めいたエッセンスがその音色に宿っている(と思える)スタンゲッツとJ.J.ジョンソンのIt Never Entered My Mindを楽しみながら獲得の検討でもしておきましょうか。
情報開示:この記事を書いている時点でEMR55株、PG50株保有
このブログでの、ほかのEMRの記事はこちら。
それにしてもこれらのEMRの資料、そこらの雑誌や書籍による世界経済の解説みたいなのより、よほどまとまっていてわかりやすいですね。
たとえいたとしても、そしてたとえ私がそれを聞いていたとしても、まず間違いなく"It never entered my mind"でしたでしょうな。なんせ黒田さんもそうなんですから、私に想定しえたはずはありません。
石油メジャーも日本の商社も、現場レベルではいざ知らず、経営陣たちにとっては、"It never entered their minds"だったんじゃないかな。
Huntington Beach Trip - Aug 2014 - Sunset over the oil rig. / pmarkham |
エマーソン・エレクトリック(EMR)にとっても同じだったんでしょう。
というわけで今宵はマイルズ・デイヴィスの奏でるIt Never entered My Mindを聞きながら、物悲しいEMRのQ2の結果に浸ってみることにしました。
ソースは2nd Qのカンファレンスコールの資料です。
まず全体のSalesは対前年比で-7%、Gross profitも-10%となっております。
ただ、Salesに関してはオイル価格の下落や北米と中国での設備投資のスローダウンの影響を受けたUnderlying Sales(これの訳がよくわからない)はフラットで、事業の分離で-2%、為替で-5%です。
セグメント別で私が気になった点を挙げます。
プロセスマネジメント
- Net Salesは昨年比 -3%
- オイルとガスのアップストリームの顧客のCapex減少
- アジアで6%の需要増、インドが強し
- ヨーロッパの需要が7%増
- でも全体的に向こう12か月の需要は弱い見込み
インダストリアルオートメーション
- Net Salesは昨年比 -16%、でもそのうち為替と事業の分離で-14%
- オイルとガスのアップストリームの顧客のCapex減少
- エネルギー関連は弱い見込みだが、ヨーロッパで改善の傾向
ネットワークパワー
- Net Salesは昨年比 -9%、でもそのうち為替と事業の分離で-6%
- この分野ではグローバルで需要が弱い
- スウェーデンでのデータセンターのプロジェクトのおかげでヨーロッパは昨年比+4%
- 市場は今後も弱含みだがデータセンターの分野は改善しつつある
クライメイトテクノロジー
- Net Salesは昨年比 -6%、でもそのうち為替で-3%
- 米国で前期までにエアコンの在庫を積み上げたため、反動減。
- 中国で昨年比-12%
- 今年度後半の需要は徐々に回復見込み
コマーシャル&レジデンシャルソルーション (わお、こんなんあるの知らんかった)
- Net Salesは昨年比 +1%、為替-2%のインパクトにもかかわらず。
- 米国での住宅マーケットは好調
- 今後も好調が見込まれる
2015のBiz segment Presentationより |
こちらの資料によりますと、2014年度のSalesのうち、アップストリームの分野は12%なので、石油価格の下落のインパクトは、そーこまで大きくないのですね。
ということは先日レビューしたP&G(PG)同様、EMRも現在の為替状況下ではお買い時銘柄かもしれません。それに付け加え、オイル価格下落のネガティブイメージがのっかっているようでしたら、もっとお買い時かもしれません。
もうひとつお買い得な情報としては、その株主還元のプランです。
EMRは2011~2014年度まで、$10.4Bのキャッシュを生み出し、それから配当に$3.6B、自社株買いに$3.0Bの株主還元をしています。
2014~2019年は$22B(うち2Bが負債)のキャッシュを生み出す目論見で、配当に$7B、自社株買いに$6Bを使う計画です。(ソースは2015年のoverview Presentation)
EMRはすでに今年になり2回にわたり獲得していますが、引き続き追加獲得の候補です。というわけで若干明日への希望めいたエッセンスがその音色に宿っている(と思える)スタンゲッツとJ.J.ジョンソンのIt Never Entered My Mindを楽しみながら獲得の検討でもしておきましょうか。
情報開示:この記事を書いている時点でEMR55株、PG50株保有
このブログでの、ほかのEMRの記事はこちら。
それにしてもこれらのEMRの資料、そこらの雑誌や書籍による世界経済の解説みたいなのより、よほどまとまっていてわかりやすいですね。
EMRのニュース有難うございました。私は最近EMR株を保有しました。50株を$58.99で購入し、本日時点で約2%の含み益です。EMRはぷ
返信削除ピーター・リンチの古い本でも配当成長株として名前が上がってましたので、株式還元重視がそのDNAに完全に刻まれているのかもしれませんね。ETNはアイルランド籍で15%の源泉徴収があるので困るのですが、20%程度の含み益がのっています。次のポストを楽しみにしています。
dividendsamuraiさん、コメントありがとうございます。ああ、そうなんですか、EMRはピーターリンチさんの本にも載っていたんですね。今後もよろしくお願いします。
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