2016年6月11日土曜日

新たなる無謀

There are two of you, don't you see? One that kills and one that loves.
映画『地獄の黙示禄 特別完全版』より
10年以上勤めてきた会社を、この春先にやめました。

人それぞれだと思うのですが、10年以上も同じ会社に勤めればもう飽き飽きです。かなり煮詰まり感があったので、いったん自分の人生を客観的に静かに見つめ直したいと思い、ささっと退職しました。転職先も決めずに・・・。

うちのヨメは働いており、私と違って仕事が好きで、週末もけっこう部屋やカフェにこもって仕事していたりするし、一歳のムスメは、はやりの待機児童になってしまうし、どうすんねんってことになり、じゃあちょっといい機会だから私がリセットしてみようということになりました。

まあ10年ですからね、随分とイニングを跨いで投げちまったもんです。ここらでちょっくら肩を冷やす休養が必要です。というか世間の皆様はよくやっておられますね。私から見ると、炎天下のマウンドで毎回ランナーを背負いながら延長15回を一人で投げ抜いているみたいな人が多数・・・話がそれた。


で、退職してからは、せっせと家事に勤しみました。いやあ、クックパッドって便利ですねえ。スーパーで特売の品物(例えばブリとか)があると、その場でささっと調理例とかを調べて、足りない調味料とかも一緒に買って帰って、料理に励んだりしました。


けっこう料理の腕前はあがりましたね。まあ、もともとひどいもんだったので、まともなレベルになっただけですけど。(参考記事:MKC マコーミック・アンド・カンパニー 分析その1


ただ普通の家事もそうですが、幼いムスメの相手をするというのは、それはそれは手間暇がかかり、期待していた読書やブログを書く時間が、彼女が昼寝をする約1.5時間程度しか取れなかったのが想定外でしたね。


週に2回、ヨメの母親が孫の世話をしに来てくれたこともあって、そのときに漠然と今後の身の振り方を考えたり、読書をしたりしました。


たまたま手に取った本に、片山晃氏・小松原周氏による『勝つ投資 負けない投資』(クロスメディア・パブリッシング)があり、これがなかなか興味深かったですね。特に片山さんのパートの勝つ投資の部分が。


彼は決算短信(適時開示情報閲覧サービスなんてものの存在を初めて知った)をつぶさに読み込んでいて、それと世の中のトレンドをつけ合わせながら、企業が変化する兆しを嗅ぎ取って投資をしているようです。


また彼の会社に朝から晩まで会社四季報を読んでいる社員がいるとの記述もありました。


いいですね。私もどちらかというと、そういう書類や資料を静かにじっくり読み漁りながら銘柄を調査するという方法が性に合っているようです。


たとえばマイケル・ルイス(東江一紀・訳)の『世紀の空売り』(これ、映画化されたみたいですね。見なかったけど)に登場する隻眼の相場師ことマイケル・バーリは、2004年末から2005年初めにかけて、何百通ものモーゲージ債の目論見書をじっくり読み込んでマーケットの不公平な評価に気づき(この人は公正さへの強すぎるこだわり・・・という性癖を抱えている)、サブプライムモーゲージ債のCDSを購入し、大もうけします。


こういうのに憧れますね。スパイ小説でいうと、ジェームス・ボンドではなくジョージ・スマイリーかな。


騒々しい世の中から距離を置き、静かな部屋にこもって資料(ソフトではなく紙ベースの印刷されたもの)を読み込み、自分なりの基準で判断を下し、リスクをとる・・・


これだ、いまの空いている時間を活用して、これをやってみよう!


というわけで、家の中はムスメと祖母が騒々しくブンバボンとかやっているので、私はそそくさと退散し、近所のドトール(いや、スタバとかじゃダメでしょう、ドトールでなきゃ)にこもって、四季報と決算短信やIR情報を読み込むのに没頭したのでした。あんまり静かとは言えないけど。


目的は、比較的短期で売ってキャピタルゲインを得られる日本株式銘柄を発見し、投資することです。


まあ、なんといいますか、どちらかというと負けない(であろう)投資はThe 3rd Man's  Fundで行っているので、この機会に勝つ投資にチャレンジしてみようと考えたのです。


また、マイナス金利導入とかを聞きつけたヨメが、「これじゃ、銀行に預けてても仕方ないじゃない、K.さん、暇なんだったらカブでもやって儲けてよ」とかギャーギャー言い始めたので(この人、ふだんは社会・経済情勢に全く無頓着なんですが、ときおり、たまたま聞きつけたニュースに変な反応をみせるんだよな、おまけにちょっとばかし勘違いも入ってそうだけど、指摘すると面倒なのでスルー)、3月初めに私の定期預金約300万円が満期を迎えたのを元手に、日本株式短期決戦に乗り出しました。


ちょうどアベノミクスの威光が薄れつつあるタイミング・・・

しかも想定外の税金支払いのため、元手は200万くらいになってしまいました・・・(参考記事:サードマンの収入明細 (2016年4月) プラス1


この間の悪さはいつものことです。

さて、こちらのブログでは、少子高齢化の進む国の企業へ投資することに疑問を呈してきたのですが(参考記事例:株式投資に未来はあるのか - 日本 -)、発想を変えて、成熟した国に今後どういう製品やサービスが必要かを意識しながら、四季報を何回か読んでいきました。

最初のページから始めて、銘柄の業種や規模、上場市場は気にせずに・・・

それで数銘柄ピックアップし、何回か売買をしましたが、やがて売るのが苦手な性分が首をもたげてきて(参考記事:インデックス投資の罠)、現在4銘柄+1を比較的長くHold中です。なんせ、売る決心がつかない。


おまけに意識したわけではないのですが、結果的に保有銘柄は全てマザーズで、1銘柄を除いて配当は出していません。いやはや、我ながら極端ですなあ。


すでに私の再就職も決まり、忙しくなることが予測されるので、ますます長期保有の傾向に拍車がかかりそうです。たぶん、結果は悲惨なことになるでしょう。


敗戦必至の試みの経過を、今後淡々と、とくにそのときどきに何を考えていたかを記録するために、新たなブログを立ち上げることにしました。


適当なる投資家K.の日本株式投資録』です。


もしお時間が許すようでしたら、お楽しみいただければ幸いです。おそらく月一回くらいにメモ書き程度の記事を更新みたいな感じになりそうですけど。


なお、私自身の投資のメインストリーム、一本目の矢は当ブログのThe 3rd Man's  Fundです。二本目の矢は、先だって辞めた会社の自社株式積み立てで、今後はひたすらHoldになります。この銘柄に関しては、そうですね、3年後くらいを目途に情報開示しようかな。それで三本目の矢がキャピタルゲイン目当ての日本株式・・・ということで、どうなることやら。


情報開示:とくになし


日米野球の選手の起用法の違いって面白いですね、両国の働き方に対する考えの違いが出ていて。どちらが良いかとは一概に言えないですけど。

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