2050年に世界人口は100億人に迫る。その胃袋を満たすには、今より6割の食糧増産が必要だ。限りある資源で、食糧危機は回避できるのか。世界で答え探しが始まった。
『新産業創世記 ケタ違いの衝撃4 食糧危機が好機』 日本経済新聞 2015年12月2日上記の記事では、昆虫食のベンチャー企業が紹介されていました。コオロギの100グラム当たりに含まれるプロテイン量は、牛肉や粉ミルクと同じらしいです。そのうちコオロギのどアップの写真入りプロテイン飲料が発売されたりするかもしれません。ネスレとかもコオロギエキス入りミロなんかを出したりして。
コオロギを食べ始める前に、やっぱり既存の食材の需要は人口増に比例して高まるでしょう。であれば、穀物を刈り取るトラクターを作っている、そして米国の好調な住宅需要の恩恵を受けるはずのディア(DE)は、長期的に魅力的な存在です。
そのDE、以前に大地を踏みしめ、地平線の彼方へ 2 - ディアー(DE)のレビュー -で書いたように最近の穀物価格の低下を受けてか、業績がいまひとつです。
DEの2015 Q4のプレゼンテーションより、米国の穀物価格 |
とうもろこしは、13/14~14/15年(シーズン)にかけて、需要が供給を上回っていたようです。原油も安いことですし、一時期騒がれていたエタノール燃料(バイオマス)とか、最近あんまり話題になっていないような気がします。
おまけにEYES ON THE HORIZONとばかりに、地平線の向こうに進出した先のブラジルの経済が今一つになってしまったんで、踏んだり蹴ったりな状況のようです。上記の穀物価格の推移グラフと同時期のDEの株価は以下の通りです。
12月は定期獲得の月で、エクソンモービル(XOM)の追加を考えていたのですが、それと同じくコモディティ価格の下落のあおりを食らっているDEも魅力的に思えてきたので、ちょっと同社のプレゼン資料を確認してみました。なお、当ブログのDEの過去の記事はコチラで、この知識を踏まえたうえで(たいしたもんではない)話を進めます。
2016年度のアウトルックですが、
と良くありません。というわけで金貸し事業を除いたEquipment関連トータルでは2015年度と比べNet Salesはup to 7%の減少を見込んでします。
DEは、Financial事業もやっているせいか、キャッシュフローでのDebtの出し入れも激しいです。これが今までこの銘柄に手を出すのを躊躇してきた理由ですが、視点を株主還元に据えて、稼いだキャッシュの使い道を見てみます。
DEは、稼いだキャッシュを以下の優先順位で使うとしています
まあ順当なところですな。
それで2004年度からの10年間でEquipment関連で稼いだキャッシュの65%を株主還元に使ったそうです。
その内訳は、
おい、前出の優先順位と足並み揃ってまへんで。まったく、このへんが御大バフェットのお好みなんでしょうか。
それとも3.で25-30%分配当に拠出した残り全部を自社株買いに充てるという理解が正しいのだろうか?どうもそんな気がする。
それでRevenueを再確認。FY14までの数値はモーニングスターのサイトから、FY15は四半期ごとのプレゼン資料から算出しています。よってFY15のみ計算違いをしている可能性あり。
さて、前述のように、来年度はさらなるRevenueの低下が見込まれます。そして配当性向を守るとなると・・・増配は・・・、というより先日発表があり次回も増配がないようなので、残念ながら連続増配は12年でストップの模様です。たぶん。ただし少なくとも減配ではありません。
With that being said...人口増による食糧不足に対するヘッジとしてDEは良い候補銘柄と考えます。業績で苦しんでいるいまが獲得のよいチャンスかもしれません。
おまけ...DEのプレゼン資料に面白いデータ。
米国の農場のBSは近年どんどん強くなっているみたいですが、あのジョン・クーガー・メレンキャンプの名曲(私の80年代洋楽トップ10リストの上位)、Rain On The Scarecrowがヒットした85年のころは、やはり米国の農家の皆さんはたいへんだったんですね。
雨に煙る案山子、血に染まった鍬、息子よ、お前に遺してやれるものはもう何もない…
にしてもです、このビデオクリップの冒頭に登場する3人の農夫の一番左のおっさん(と言っても髭を剃ると若そう)、とっても高木ブー的ないい味出してますね。
情報開示:この記事を書いている時点でXOM30株保有
Appendix
ROE関連数値のクボタ(KUBTY)との比較。数値はモーニングスターのサイトから。DEのFin Leverageが高いのは、金貸し事業をしているからでしょうか。金融がからんでくるとよくわからない。
おまけにEYES ON THE HORIZONとばかりに、地平線の向こうに進出した先のブラジルの経済が今一つになってしまったんで、踏んだり蹴ったりな状況のようです。上記の穀物価格の推移グラフと同時期のDEの株価は以下の通りです。
Yahoo! Financeより |
2016年度のアウトルックですが、
- Agricultural Industry: 北米で15-20%減、ほかの地域も似たようなもの (業界のビジネスのボリュームのこと?DEのNet salesの数値とかではなさそう)
- C&F: エナジーセクターの不調を受けてNet salesは世界的にup to 5%減。
と良くありません。というわけで金貸し事業を除いたEquipment関連トータルでは2015年度と比べNet Salesはup to 7%の減少を見込んでします。
DEは、Financial事業もやっているせいか、キャッシュフローでのDebtの出し入れも激しいです。これが今までこの銘柄に手を出すのを躊躇してきた理由ですが、視点を株主還元に据えて、稼いだキャッシュの使い道を見てみます。
DEは、稼いだキャッシュを以下の優先順位で使うとしています
- 良い格付けを貰うために、BSを健全にする
- ビジネス成長のための投資
- 配当(配当性向は25-35%、14年度は25.7%)
- 自社株買い
まあ順当なところですな。
それで2004年度からの10年間でEquipment関連で稼いだキャッシュの65%を株主還元に使ったそうです。
その内訳は、
おい、前出の優先順位と足並み揃ってまへんで。まったく、このへんが御大バフェットのお好みなんでしょうか。
それとも3.で25-30%分配当に拠出した残り全部を自社株買いに充てるという理解が正しいのだろうか?どうもそんな気がする。
それでRevenueを再確認。FY14までの数値はモーニングスターのサイトから、FY15は四半期ごとのプレゼン資料から算出しています。よってFY15のみ計算違いをしている可能性あり。
さて、前述のように、来年度はさらなるRevenueの低下が見込まれます。そして配当性向を守るとなると・・・増配は・・・、というより先日発表があり次回も増配がないようなので、残念ながら連続増配は12年でストップの模様です。たぶん。ただし少なくとも減配ではありません。
With that being said...人口増による食糧不足に対するヘッジとしてDEは良い候補銘柄と考えます。業績で苦しんでいるいまが獲得のよいチャンスかもしれません。
おまけ...DEのプレゼン資料に面白いデータ。
米国の農場のBSは近年どんどん強くなっているみたいですが、あのジョン・クーガー・メレンキャンプの名曲(私の80年代洋楽トップ10リストの上位)、Rain On The Scarecrowがヒットした85年のころは、やはり米国の農家の皆さんはたいへんだったんですね。
雨に煙る案山子、血に染まった鍬、息子よ、お前に遺してやれるものはもう何もない…
にしてもです、このビデオクリップの冒頭に登場する3人の農夫の一番左のおっさん(と言っても髭を剃ると若そう)、とっても高木ブー的ないい味出してますね。
情報開示:この記事を書いている時点でXOM30株保有
Appendix
ROE関連数値のクボタ(KUBTY)との比較。数値はモーニングスターのサイトから。DEのFin Leverageが高いのは、金貸し事業をしているからでしょうか。金融がからんでくるとよくわからない。
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