2019年12月11日水曜日

雨に唄えば・・・KeePer技研(6036)の獲得

「ボブ・ディランって少し聴くとすぐにわかるんです」と彼女は言った。
「ハーモニカがスティービー・ワンダーより下手だから?」
 彼女は笑った。彼女を笑わせるのはとても楽しかった。私にだってまだ女の子を笑わせることはできるのだ。
「そうじゃなくて声がとくべつなの」と彼女は言った。「まるで小さな子が窓に立って雨ふりをじっと見つめているような声なんです」

村上春樹 『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(下)』 新潮文庫

いざ・波』で、ずいぶん久しぶりに新メンバーを加えました。


車のコーティング材料の製造卸、およびサービス店舗を直営とFCで展開しているKeePer技研(6036) x 200株です。なおその資金は鎌倉新書(6184)を200株売却してねん出しました。さすがに6184の直近の株価は高いと思うので・・・あといざ・波』の構成企業は5つにしたかったというのもあります。


なぜ5つか、と問われると、なんとなくとしか言いようがありません。強いて言うなら『ピーター・リンチの株の法則』(平野誠一・訳、ダイヤモンド社)の影響かな。


で、来るべき(すでに到来済み?)日本での少子高齢・多死社会を見据え、一見ネガティブに見えるその潮流を逆手にとって資産を築くことを目論んで設定された『いざ・波』ですが、6036はほかの構成企業とはちょっと趣が違います。


そもそも日本は、これから人口が減っていくうえに、特に若者を中心としたクルマ離れが叫ばれて久しいので、あまり需要の拡大という点では期待できません。また個人的には「脱クルマ」というのは、特に今後の日本において大きなトレンドになるんじゃないかなと考えています。私自身決して運転が嫌いではないのですが、自家用車を手放して久しいですし。

しかし衰退していくカテゴリーでも、他社の追随を許さない存在感を示せれば、一企業としての成長は大きく期待できるとも考えます。

『いざ・波』のほかの構成企業を見てみますと、それぞれ各々のカテゴリーの中で(少なくとも現在までのところ)唯一無二のサービスを提供しており、その結果、こんにちまで株価的にもよいパフォーマンスが続いています。明日のことまでは知らんけど。

最初からそういう企業を意図的に狙い撃ちしていたわけでなく、たまたまそういう選択になってきたのですが、今回の6036は、かなり池の中のクジラを意識して探しだしました。

それに・・・それでもクルマの外見にこだわる人は、いつの世にも一定数いると思います。そういう人々にとって6036が提供するサービスと製品は、ある人々にとってのディズニーや、ある人々にとってのゲームソフトのような、日用品よりちょっと上、という必要不可欠な存在になり得るのではと考えます。





ああ、オレも独身時代は、プジョーのコンパクトカーに乗っていたんだよなあ。テニスラケット積んでサークルやテニス・オフ、草トーナメントに顔を出し、たまあにデートでドライブしてたな。


RevenueとOperating profitの推移。数値のソースはモーニングスター


それが今や、ママチャリだ。しかもベビーシート2つ付き。カゴにはダイコンをのっけていたりしている。せめてクールな都会仕様のマウンテンバイク(なんじゃ、それ)が欲しいよ。というわけでうつむき加減になりがちな自身の目線を、公道上へと視野を広げるべく、6036を獲得したのでした。そんな、いい加減な、と言われるかもしれませんが、それくらいのスタンスが、私にはちょうどいい。


キャッシュフロー推移。数値のソースはモーニングスター


で、なんで「雨に唄えば」なのかって。それは6036の創業者である谷好道氏のメッセージを是非お読みください。いいなあ、これ。この手のメッセージとしてはめったにお目にかかれないくらい素晴らしい内容だと思います。


経営効率指標の推移。数値のソースはモーニングスター

さて、5-10年後、どうなっていることでしょう。

ちなみにシステム・ディ(3804)は、お目覚めですかな。それとも単なる寝返りか。

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