ソースは、いつも参考にさせていただいているDavid Fish氏によるU.S.Dividend Championsの12/31/2017更新のリストになります。なお、あんまり深く検証しておらず、数字もつじつまが合わない部分もあり、なおかつ力業で集計しているのでミスもあるかと思います。あくまで参考ベース、余興として見てください。
結果は以下の通り。
これを、S&P500の価格推移と、私の乏しい米国の歴史に照らし合わせて、仮説を立ててみます。
まず1950年から現在までのS&P500の価格の推移。
Yahoo! Financeより |
Yahoo! Financeより |
第2次世界大戦終了後ほどなくして冷戦に突入した米国は、朝鮮戦争やスプートニク・ショックによる宇宙開発競争等々で、Industrialsセクターが大きく発展。それで米国人の生活は豊かになり人口も増え、日用雑貨もブランド品を使い始め、結果Consumer Staplesが追随して成長する。
ベトナム戦争の泥沼化による社会の混迷、西ドイツ・日本の経済的台頭、インフレ(スタグフレーション)で、米国の株価は長らく低迷しています。成長が止まって、いったん成熟したんですな。今から振り返ると70年代から80年代は、ひたすらエサを食い漁っていた幼虫からサナギに形態を変えていたと言えますね。
いやあ、日本は調子こいてましたなあ。
で、私が考えるに、もう過去のような成長が見込めないので、米国企業が株主還元のための増配に目を向け始めたのが1970年あたり。ますIndustrialsから始まって、Consumer Staplesが追随し、社会的基盤整備がひと段落ついたUtilitiesも増配を始める。
ここにきて資本主義が成熟したので、その一丁目一番地の金融セクターも増配開始。
ただし国際情勢に翻弄されやすいMaterialsやEnergyセクターはなかなか安定せず、それらの波に乗ることはできなかった。
今後は高齢化社会を反映してヘルスケアが安定して増配し、2000年ころの革命児だったIT連中も、もはやUtilities化して増配をする。
以上が仮説です。増配の歴史を見ると、米国経済の歴史がなぞれると思いますが、どうでしょう。
では、今回新たに10年以上に加わった面々を紹介します。
で、これらの銘柄が増配を開始した10年前の2007年というと...
- i Phoneの初代モデルの発表、発売開始
- マグロ乱獲防止・資源保護策の初の国際的会合
- オバマ氏立候補表明
- イチロー、メジャーのオールスターMVP
- 安倍首相辞任
- パキスタンのブット元首相暗殺
- 日興コーディアルグループが米シティの傘下に
なんてことがありました。
私もこのころから(なんたる絶妙なタイミング)投資を開始しています。インデックスETFがメインでしたね、IVVやEFAとか、EEMです。当時勤めていた米国のヘルスケア企業のEmployee Stock Purchase Plan (ESPP)は2006年から始めていました。
書店の本棚には、インフレが来る、資産運用下手な日本人、円は没落する、定期預金なんてキミはアホかね、BRICsだ、FXだあー、みたいな本がわんさかありました。当時は円安に加え、資源価格も高騰していた記憶があります。
本棚の情勢も10年たってまた一巡りしている気配がありますが、ま、あんまり真に受けないことですわな。消し去りたい記憶なのですが、私はレバレッジ効かせすぎたFXで、確かこの年に100万円弱吹き飛ばしています。
で、昨年も書きましたが、巷の本なんぞ読み漁らずに、見るべきものをしっかり見ている人は以下の通りいるものです。以下去年の当ブログの記事より。
一方ではドイツ銀行の凄腕債券トレーダー、グレッグ・リップマンがフロント・ポイント(ヘッジファンド)のスティーブ・アイズマンにサブプライム・モーゲージ債市場が下がる方にかけるトレードを秘蔵の妙案として持ち掛け、すでに一年前からサブプライム・モーゲージ債に対するCDSを購入開始していた隻眼の相場師バーリは、マネージするサイモン・キャピタルへの出資者たちから誹られ続け(バーリさんの対応もひどいんだけど)、コーンウォール・キャピタルの二人の若者ベンとチャーリーは、大手投資銀行相手になんとかしてCDSを買おうと画策していましたが相手にされず、もがいていました。そういえばマイケル・ルイスの名著『世紀の空売り』(東江一紀・訳、文春文庫)で書かれていた、アイズマン、チャーリー、ベンが参加し、浮かれポンチーズに相対したラスヴェガスのサブプライム業界の懇親会のシーンも2007年でしたね。
浮かれポンチーズになったらあかんで。
連続増配10年以上及び50年以上のセクター別割合は:
さて、新たに10年以上増配リストに加わった銘柄があれば、増配ストップでリストから外された銘柄ももちろんございます。連続増配年数(Yrs)は昨年時点のもの。
増配ストップだけでなく、どっかに買収されたとか(RAI)も含まれています。
最後に5年ごとに区分けした銘柄数。
情報開示:とくになし
Special thanks to Mr. David Fish for updating the U.S. Dividend Champions list. Without the list, I am as blind as a bat.
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