2016年8月7日日曜日

為替に対する考察 -欧州にてー

欧州です。

このエントリーでは場所も気分も変えて、いつになく真剣に為替についての考えを、欧州の山岳地方から述べてみようと思う。



山の中にある比較的小さな国に足を踏み入れました。欧州を訪れるのは生まれて初めてです。完全アウェイです。


旅行ではなく出張です。けっしてリヒテンシュタインにモーゼルをぶっぱなしにいったのではございませんし(参考記事:『サードマンの収入明細 (2016年4月) プラス1』)、K.の生みの親であるフランツ・カフカ氏を表敬しに行ったのでもございません(参考記事:『序にかえて』)。

ドイツのある空港に到着し、生まれて初めてユーロを使ってコーヒーを飲み、窓の外にスタンバっているルフトハンザの機影を眺めつつ、無料で置いてあったNYタイムズの記事を読みながら(いやはや、こうして書くと、デキるビジネスマンみたいや・・・読んだ記事は最近のオイル業界の苦境について・・・Latshaw Drilling社の偉いおっさん曰く、つい2夏前まで保有する39台のリグはフル稼働で、たくさんの注文を断ってきたのだそうですが、現在は16台しか稼働しておらず、すべての石ころをひっくり返すように仕事のネタを追っている毎日なんだとか)、トランジットの為の3時間つぶしていたのですが・・・


驚いたのが、これだけCaucasianがたくさんいるにもかかわらず威圧感がない。皆さん、ベーシックなところで礼儀正しい。


これが米国の空港だと、約3割くらいが男女かかわらず顎を突き出しながら周囲を睥睨してのっしのっしと通路のど真ん中を闊歩するMr.(Ms.)傲慢な方々(個人的にMr. GoMan GreedManと呼んでいる・・・俳優のモーガン・フリーマンのもじり、念のため)で、わりと不愉快な目に合うのですが、ここではそんなことがなかった。さすが、歴史が違う。


で、例によって数週間前に一応当該地の『地球の歩き方』を買っていたのですが、結局ページを開いたのは最終目的地の空港に着陸する30分前で、かろうじて空港から市街地までバスでどう行くかだけを調べた。


現地到着は午前中で、仕事は翌日からだったので、午後いっぱいを荷物を駅のコインロッカーに預けて観光に充てる計画だったのです。


着いてみるととっても涼しく(15℃くらいだった)、最近すっかり夏バテ気味だった私にとっては格好の避暑地です。

ところが、バスの降りる場所をすっかり間違ってしまい、駅を求めて40分ほど『地球の歩き方』の分厚い冊子を片手にキャリーバッグをガラガラ引きずりながら右往左往する羽目に・・・いやあ、長いフライトのあとにこりゃきつかった。すっかりバテバテや、どこがデキるビジネスマンやねん。


おのぼりさん状態で観光地をウロウロしたのですが、そこはそれ、米国株式に投資している身としては、押さえるべきポイントは押さえています。


私が見た限り、普通のお店やスーパーでも同じようなラインアップだった。
コカ・コーラ数種に、ファンタオレンジ、スプライト、ミネラルウォーター数種
なんか空港を含め、私が訪れた地域のお店は圧倒的にコカ・コーラ(KO)の商品が多く、ペプシコ(PEP)が目立たなかった。ほかの地域は知らんけど。

あと、タバコに対する世間の目が、米国ほど厳しくないように思う。そこらのカフェや道端で、割と身だしなみの良い人々が吸っているのをよく見かけた。米国ではなかなか見られない光景です。ちなみに私のヨーロッパ人の上司もタバコを吸っています。

ひととおり観光を終えて、タクシーで30分ほど街から離れたホテルに向かおうとして、想定外の出来事に出会う。
ネスレ(NSGY)欲しいな
なんと、タクシーがクレジットカードを受け付けてくれない。現金のみである。

100ユーロほど念のために現金で持っていっていたのだが、昼食や軽食、たまの贅沢のアイスクリーム(なんか旅行にいくと食べてしまうのです、コーンに2カップのっけたやつ)等々ですでに15ユーロほど使っているのですが、ホテルまで50ユーロかかるという。

帰りもホテルから空港までタクシーの予定だから、現金が足りん。

仕方がなしに駅にあったATMでVISAカードからキャッシングする。あーあ、利息が・・・

リーマン・ブラザーズ倒産時のCEO、ファルド氏からの警句を思い出す。
 最近はレバレッジに熱を上げているが、ファルドはつねづね流動性が重要だと信じていた。嵐に乗り出すなら手元に大量の現金がなければならない、とよく言っていた。
アンドリュー・ロス・ソーキン 『リーマン・ショック・コンフィデンシャル』 加賀山卓郎・訳 ハヤカワ・ノンフィクション文庫 
大量の現金がなかったからつぶれたんだろ!、などと笑って耳を貸さなかった私がバカである。知らない土地、アウェー、特に田舎に乗り出すなら手元に大量の現金がなければならない。クレジットカード頼りなんてレバレッジに熱を上げすぎや。肝に銘じときます。

次の驚きが・・・向こうのタクシーって、客を助手席に乗せるんやね。後ろに乗ろうとすると、「オイオイ、こっちやで」みたいに、関西風なツッコミっぽく運転手に言われた。まあ、ええねんけど、このおっさん、くっだらねえことをしゃべるしゃべる、私は窓の外に広がる美しい景色を堪能したいのに・・・



降りるときに、なんでチップを払わんといかんのや状態やった。


それにしても景色が美しすぎる。



ついつい少年時代に夢中になったバーリンデン氏のジオラマ情景写真のようだ、と感動する私は、どうころんでもデキるビジネスマンではない。

☆☆☆

以前勤めていた米国系企業と同じく、こちらも熱心に仕事するのは午後3時くらいまでである。それを過ぎると完全に流しモードで、4時過ぎには、会社の駐車場は、かつての大阪球場での南海ホークス対ロッテ・オリオンズの消化試合の観客席並みに閑散としてくる。

かといって朝も格別早いわけでなく、8時半くらいにオフィスは賑やかになるのだが、たいていは共通スペースでケーキとコーヒーを楽しみながら10-20分ほどぺちゃくちゃと話をしている。3-4人一部屋なのだが、うちの上司なんて、ご丁寧にフロアのほとんどの部屋を挨拶して回っているもんだから、さらに5分ほど過ぎていく。まあ、週に1回か2回、7時から会議もあるみたいだけど。

当然、金曜はほぼ午前で終了。はやく日本もこれがあたりまえになってほしい(参考記事:『東京都知事とリロ・ホールディングに告ぐ』)

☆☆☆

緯度が高いので、午後9時をすぎないと暗くならない。シメタとばかりに自転車を借り、散策に乗り出す。



生まれて初めて電動自転車に乗る。楽ちん楽ちん、涼しいし、景色はいいし、と調子に乗っていたら、ペダルブレーキなるものにひっかかり、あやうくコケるとこだった。あちらではペダルブレーキがわりと標準装備らしい。

スーパー発見。



ついつい中に入り、こういうのを撮ってしまう。



ソーダの製品の割合は、前出のお店のそれとほぼ同じ。外に見事な風景がひろがっているのにオレはこんなとこで何しとんねん、とすぐに我に返り、早々に退散。


ちに眼下に広がる草原の中の小径を歩く。日が暮れるまでは最高のひと時を過ごせる。草原の香り、そよ風、小川のニジマス。しかし暗くなると巨大で真っ黒なナメクジがわらわらと出現し、怖い目に合う
このあたりは湖の近くで、家を建てるには、環境対策のため特別なコストがかかるそうです。よって住民は比較的リッチな人たちで、付近で留まっている車はアウディやメルセデスが多かったのですが、セカンドカーみたいな位置づけでスズキのSwiftがチラホラあったのは意外だった。しかも、情景にぴったりはまっている。

マツダをあんまり見かけなかったのは、こちらも少々想定外。会社の駐車所はほとんどVW。

☆☆☆

夕食は一回だけ皆とグループディナー。残る二晩はホテルのレストラン。地元?のホワイトビールを頼み、屋外のテラスでゆっくりと風景を楽しみながら食べる。



すると、なんというか若かりし頃のジョディ・フォスターのような美少女が、キビキビと、しかしとてつもなく愛想良くサーブしてくれます。しかもディアンドルを着て。

いやもう、こんなん、宮崎駿氏がここにいたら、引退を撤回して彼女をモチーフに新たな超大作の制作にかかるんじゃないかと思うくらい、見た目が風の谷のナウシカ(もしくはカリオストロの城のクラリス)的な少女であった。

それが注文を聞きに来るとそっと屈み込み、またビールを注ぐときにもそっと屈み込み・・・するとディアンドルの胸元から、たわわに実った(・・・以下描写をするのを自粛)

これが米国だと、スタイル抜群のウエイトレスがタンクトップにぴったりのジーンズとかでハァーイとかだから私としてはのけ反ってしまうのですが、ここは奥ゆかしくそっと屈むもんだからついつい引き込まれてしまい・・・

こうなると止まりません。

私はビールを飲み続けることになります。エクスキューズ・ミー・・・もう一杯同じのものを・・・うん、ホワイトビールを・・・。

会社から出る食事代の金額を超えてきます。でもいいのです、いまユーロはひところより安いのです。自腹切ってもなんぼのもんや。そして彼女の胸がはずみ、私はチップもはずむ。

☆☆☆



最近円高傾向です。なんとなくこの傾向は向こう数年くらい、1ドル80円程度まで続きそうな気がします。米国株式に投資していると、円建てでは目減りします。しかし、『明日に架ける価値 -通貨に対する立ち位置-』で書いたように、私はあくまで円がマズくなった時の為に備えている保険のような感覚でいるので、円が強ければそれに越したことはありません。

ぐっちーさんこと山口正洋氏もメルマガかブログで述べていらしたように、自国通貨が高くて滅んだ国はないそうで・・・その逆はたくさんあるそうです。

また最近は私自身、円の暴落の可能性は無いことはないものの、オオカミ少年どころか、もはやノストラダムスの大予言の領域なのではないかと考えるようになっています。

強いて言うと、大予言の騒動でカモられたのは読者です。カモったのは作者を含む出版側です。

ひょっとしたら、来るべき円の暴落で一発逆転で笑うためにドルを、ひっひっひ・・・という人も、出版社や銀行にカモられているだけかもしれません。そうであったとしても、それで忸怩たる気分になっていたら人生損ですぜ。

それよりもなによりも、いまここにある円高=購買力アップを利用しない手はありません。千載一遇のチャンスやないか。

そうしてくだんのウエイトレスの胸ははずみつづけ、私はチップをはずみつづけます。ユーロは安い。

そして胸ははずみ、チップをはずみ、念仏のように唱える・・・ユーロは安い、人生は短い・・・

そして胸ははずみ、チップをはずみ、マントラのように唱える・・・ユーロは安い、人生を楽しめ・・・

そして胸ははずみつづけ・・・

・・・
・・・
・・・
・・・
・・・

どうやら、カモは、私のようだ。

情報開示:この記事を書いている時点でKO355株保有

TIP

飛行機の中で映画『マネーモンスター』を観ました。へえ、監督はジョディ・フォスターかあ。この映画なかなか面白いです。とくに米国株式に投資している人は3割増しで楽しめるのではないか。

4 件のコメント:

  1. 途中までいい記事だったのになぁ。

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    1. 馬脚を露わしてしまいました。

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  2. 読み応えのある記事で面白かったです。最後のオチも落語の様で笑わせて貰いました。
    人生は楽しんだもの勝ちですね。
    Kさんの文章は読みやすくユーモアがあって素晴らしいと思いますよ。

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    1. 個人的には役に立ったというよりは、ウケたと言ってもらえたほうが10倍うれしいです。

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