2017年9月18日月曜日

2017年度Q3のドラフト会議

ジャスティスは、アスレチックスがジオンビーの穴埋めとして雇った欠陥品トリオのひとりだ。いや、他球団で″欠陥品″とみなされてしまっただけで、ポールは“傷物”という言葉で評価する。「傷があって、傷の存在をみんな知っているけれど、でもじつはたいして重大な傷ではない。そういう傷物の選手を発見するとわくわくします」
マイケル・ルイス 『マネー・ボール〔完全版〕』 中山 宥・訳 ハヤカワ文庫
秋の到来が早いですね。

9月は定期獲得の月です。The 3rd Man's  Fund八つのコア銘柄(参考記事八雲立つ -ポートフォリオの変態 その2-』)からどれかを選んで追加獲得する予定です。

ただし最近獲得したばかりのA.O.スミス(AOS)と、過去一年間株価が比較的好調なローリンズ(ROL)は、今回は見合わせます。

なんせ、他の銘柄が株価的にはけっこうずっこけているので、それを見逃す手はない。ただ、ずっこけた理由がたいして重大な傷ではないのか、致命的でそろそろ引退を考えねばならない時なのか、私のような投資方法を取っているものは、よくよく考えてみる必要があります。

では、今回の候補を並べてみましょう。4銘柄です。

JMスマッカー(SJM)

Q1の結果(Revenueが前年比-3.8%)と、年間のEPSのガイダンスを約1%下げたことを受け株価は急落中。この傷が一時的なものなのか、重大なものなのか・・・が問題ですが、主な要因はコーヒーのFolgers。

先日ネスレがブルーボトルを買収とかいうニュースがありましたが、おうちで飲むトラディッショナルなコーヒーは、人々の嗜好の変化を受けてへこんでいますね。SJMでもダンキンドーナツブランドのKカップやCafe Busteloなどは好調なようです。

コーヒーの主力ブランドがこれじゃあマズイなあ・・・と思う反面、年後半にはコーヒーの新製品も出すという話だし、今年稼ぐキャッシュの予定は今のところ変更ないし、ひとたび不況になれば皆ブルーボトルやスタバは控えめになるだろうしね。好景気にこそ獲得すべき銘柄かもしれません。

それより、今がチャンスだとばかりにExecutive ChairmanのRichard Smucker氏がSJM株式を買いまくっているというのが気になるね…(Top Buys by Directors: Smucker's $1.1M Bet on SJM)

おっさん、どさくさに紛れて何しとんねん。たんに意地を張っているのか、パフォーマンスなのか、それとも本当にバーゲンと考えているのか、どうでしょう。

マコーミック(MKC)

個人的にThe 3rd Man's  Fundの旗艦銘柄にしたいMKC。Reckitt BenckiserのFoodビジネスを買収した(関連記事『サードマンの収入明細(2017年7月)』)のですが、その価格が高すぎるという評判で株価が下落。

おまけにその買収をファイナンスするために新株発行なんぞやっとる・・・(McCormick & Co. (MKC) Prices 5.52M Non-Voting Share Offering at $90.50/Sh

いずれBuy backするだろうけど・・・。なにぶんMKCはこういう機会を丁寧に拾っていく銘柄ではあるのでね。

アルトリア・グループ(MO)

米食品医薬品局(FDA)がなんか言ったそうで・・・(米FDAがニコチン含有量削減を提案、電子たばこに追い風)。よくあることではありますが、MOもこういう機会に獲得すべき銘柄です。

それよりもだ。なにぶんリログループ(8876)の猛追がすさまじく、このままいくと為替の動向も相まって、ブログタイトル的に不都合な事態に陥りかねないので、MOにたいしてPrice (というかポートフォリオ内の時価)Keep Operationを行わねばならんかもしれん…そんな理由で追加してもいいんだろうか。

ドクターペッパー・スナップル・グループ(DPS)

Q2は前年比でRevenueが6%アップ、Volumeが4%アップ(最近買収したBaiブランドは除く)。そして株価は最近頭打ち。Soda業界の将来に対する悲観が影を落としているのかもしれぬ。

先日DVDで2006年に公開された映画『リトル・ミス・サンシャイン』を見ていたら、家庭での夕食にだす飲み物としてスプライトがごく自然に振舞われていましたが、もうそういう光景はなくなりつつあるのかもしれない。

私が米国に留学していた90年初期も、当然のように昼食や夕食時にはソーダを飲んでいたんだけどなあ。

☆☆☆

これらの銘柄に対してよく言われるのは:

  • アマゾン・エフェクトによるネガティブ・インパクト
  • 人々の健康志向や環境保護への意識(今回の記事には関係ないけど)の高まり
  • 当局によるソーダやニコチンへの規制・税制強化
  • PBブランドの台頭

etc...

等々を鑑みて、スマートに避けて通ったほうがよい、ということです。

いや、ごもっとも、一理あります。

しかし私のような冴えない一介の個人投資家が、そもそもそんな大所高所なオオゴトを心配してもしょうがないですからね。考えたところで、居酒屋で今後20年の日本のあるべき姿や阪神タイガースの一発大逆転の選手起用法について一席ぶつのと同程度の意義のあるものがひねり出されてくるのが関の山です。

それよりも、それらのごもっともな懸念に対する対応策は、

Mark Smucker (SJM)
Laurence E. Kurzius (MKC)
Marty Barrington (MO)
Larry Young (DPS)

以上のような連中に任せて、われわれ株主はソファーにふんぞり返ってペナントレースの行方を見守っておればいいのです。そこが株式投資の醍醐味です。自身のアタマでなにか目覚ましいアイデアがあるようだったら、そもそも株式投資なんぞするよりもっと効率的にお金を稼げているはずですわな。

それにしても広島カープ強いですね。

というわけで定期獲得は9月の最終週を予定、それまでよほどのことがない限り、上記4銘柄のどれかを獲得します。いやはや、自分で言うのもなんですが、なんどこの4つのカードを見つめなおしても、わくわく感のかけらもないなあ。ハートのエースが出てこなーい♪

情報開示:この記事を書いている時点でMO266株、DPS109株、SJM42株、MKC101株、8876x1000株保有

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